おとなの楽しい童話時間

幸せスイッチオンにするハッピー物語

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雲つぶのぼうけん

雲つぶのぼうけんup用2

空に浮かぶ雲は、『小さな雲つぶ』がたくさんくっついてできています。



地上7,000メートル、風のない、おだやかな空の中を、

小さな雲つぶが一個、地上に向って落ち始めました。

雲つぶは、先ほどまでひつじ雲の中にいたのですが、

強い風が吹き抜けていったせいで、

雲の外へ吹き飛ばされてしまったのです。

ひつじ雲2


雲つぶは、自分が浮かんでいた上空を見上げました。

もこもこと漂っていたひつじ雲は、

先ほどの風に乱されて、その姿を変えていました。


「このままただ落ちていったら、ボク暖かい空気に触れて蒸発しちゃう・・・」


雲つぶは、強い風が吹いていった先を、

ユラユラと落下しながら見つめました。

風は、遠くの高い山に勢いよくぶつかったようです。

見ていると、山の中腹にもくもくと大きな雲ができて、

それがみるみるうちに上へ上へ伸び上がっていくのがわかりました。

そしてあっという間に、山の頂上を越えて、

巨大なにゅうどう雲が出来上がったのです。

にゅうどう雲2


「なんて立派な雲!ボクもあの雲みたいになりたい!」

雲つぶは、初めて見る巨大なにゅうどう雲に、

胸が高鳴るのを感じました。

「とにかくあの高い山のところへ行こう!

そうすればボクも、あの立派な雲になれるかもしれない!」

まわりの空気はまだまだ冷たかったので、

蒸発する心配はありません。

ゆっくりと落下している最中に、

今度は山の方へ向かう小さな風が吹いてきました。

雲つぶは風に乗って、少しずつ山の方へ流れて行きました。

「だいぶゆっくりだけどこのまま行けば・・・」


ところが、しばらくすると小さな風は消えてなくなり、

雲つぶは、また風のない空をゆっくりと落ちていくことになりました。

「せっかくあの大きな雲に近付いたと思ったのに」

がっかりしたのもつかの間、今度は下から上へ風が吹いてきました。

「わわわ!」

ゆっくりゆっくり上昇して、雲つぶはいつの間にか、

地上10,000メートル、うろこ雲の中にいました。

うろこ雲の中はとても寒く、雲つぶは冷やされて氷の形に

姿を変えていました。

うろこ雲2


「寒いよう。こんなに高いところまできちゃったよ」

目指す高い山は、はるか雲の下にありました。

「これからどうしよう」

こんなときに限って、風が吹いてくる気配はありません。


すると今度は、大きな飛行機が飛んできました。

飛行機は山の向こう側にある空港へ向けて、

少しずつ高度を下げて飛んでいました。

「やった!」

雲つぶはうろこ雲をくぐって進む飛行機の羽に、

ぴったりと張り付きました。

そして飛行機と一緒に、

うろこ雲の中から抜け出すことに成功しました。

「山の上まで行ったら、飛行機から離れよう」

飛行機はあっという間に山の上空まで来ました。

「今だ!」

飛行機2


飛行機の羽を離れた雲つぶは、そのままゆっくりと下へ落ちていきました。

幸運なことに、タイミングよく上から下へ風が吹いてきたので、

雲つぶは、あっという間に山に降り立つことができました。


しかし、山肌は思いのほか乾燥していて、雲ひとつありませんでした。

乾いた空気に唖然として、雲つぶはどっと疲れてしまいました。

「やっとの思いでここまできたけれど、

こんなんじゃとても雲にはなれないや。この山に来れば、

ボクもあの立派な雲になれると思ったのに」

雲つぶが途方にくれていると、突然、地面が上へ持ち上がりました。

「うわ!」

雲つぶが山の地面だと思って降り立ったのは、

そこに暮らす鳥の羽の上だったのでした。

鳥は大きく羽を羽ばたかせて、ピューッと、

山のふもとへ向けて一気に飛んでいきました。

突然の事にビックリした雲つぶは、

鳥の羽から降りることができず、

山の下のほうまで、運ばれてしまいました。

そして、暖かい空気に触れると、

鳥の羽の上で瞬く間に蒸発して消えてしまいました。

『ボクはただ、立派な雲になりたかっただけなのに・・・』

雲つぶは、山のふもとの空気にしみ込んでいきました。















次の日の朝、空はきれいに晴れ上がりました。

日の出と共に、山へ日の光が照り付けました。

気温はどんどんと上がってゆき、雲つぶの溶け込んだ山肌の空気も、

一気に暖められました。

暖かく、軽くなったたくさんの空気が、

一斉に空へと昇りだしました。


そして、しばらくすると、

あの雲つぶが、憧れていた瞬間がやってきたのです。

もくもくもく もくもくもく

太陽にあたためられた山の空気が、空の上で冷えて、

雲へと形を変えだしました。

もくもくもく もくもくもく

日が高くなればなるほど、日差しも強くなり、

雲は上へ上へと伸び上がっていきました。

そしてあっという間に山の頂上を越えると、、、



巨大なにゅうどう雲が出来上がったのです!







「う~ん、よく寝た」

自分が何か大きなものに包まれている気がして、

雲つぶが目を覚ましました。

「あれ?ボク、また元の姿に戻れたのかな・・・

ここはどこだろう?」

不思議そうに周りを見渡した雲つぶは、すぐに、

自分が今いるところがどこなのか気が付きました。

雲の中2

雲の中をフワフワと浮かびながら、

「すごい!ついにボクも、あの立派な雲になることができたんだ!」


太陽のひざしはますます強くなり、

巨大なにゅうどう雲の成長は、とどまる事を知らず、

もくもく、もくもくと空の上へ広がり続けました。

おわり
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