おとなの楽しい童話時間

幸せスイッチオンにするハッピー物語

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サンデーさんと恋の媚薬

よく晴れた日の午後、丘の上に暮すカエルのサンデーさんの家から、
楽しそうな鼻歌が聞こえてきました。

「ンフフ~ン♪フフフ~ン♪そろそろ彼の来る時間だわ~ン♪」

カエルのサンデーさんの彼は、丘のふもとの公園に住む、
アカハライモリのソフト君です。

二人は先日結婚の約束をしたばかりです。

リビングテーブルの上には、
サンデーさんの大好きなハエのピクルスと、
ソフト君の大好きなミミズのハチミツ漬けが並んでいます。

「何か足りないわね・・・そうだわ♪フフフ~ン♪」

サンデーさんはお気に入りの花瓶を手に取り、
鼻歌を歌いながら、家のドアを開けました。
するとそこに、サンデーさんの愛しいソフト君が立っていました。

「会いたかったよ!ダーリン 僕の可愛いバラ姫」

「まぁ、ソフトさん!」

アカハライモリのソフト君は、
サンデーさんの手を取り、彼女の瞳を見つめながらキスをしました。

サンデーさんは顔を赤くしながら言いました。

「い、いま、裏庭に花をつみに行こうとしていたの。
テーブルに飾ろうと思って」

「その必要はないよ。綺麗な花なら、もう僕の目の前にあるからね。
君をテーブルの上に飾って眺めるのもいいけれど、、、
その花瓶には入りきらないかな」

サンデーさんの持っている花瓶を見ながらソフト君が言いました。

「そうそう。君の美しさには遠く及ばないが、
もしよかったら、この花を飾っておくれ ダーリン」

ソフト君は、背中に隠していたバラの花束を差し出しました。


サンデーさんとソフト君は、初夏に出会いました。
裏庭のバラの香りに包まれて、幸せそうに踊っていたサンデーさんに、
ソフト君がひとめぼれをしたのです。

ソフト君の紳士的な笑顔と優しい言葉に、
サンデーさんはあっという間にメロメロになってしまいました。



テーブルに飾ったバラの花を挟んで、
二人が幸せな午後の時間を過ごしていると、
家のドアをノックする音が聞こえました。

「はーい、どなた?」

ドアを開けると、川向こうに住むカエルの仲間達が立っていました。
特大の日傘を差して、汗をたくさんかいています。

実は、サンデーさん以外のカエル達は晴れの日が大の苦手なので、
雨の日以外は家の中に引きこもっているのです。

しかし、どうしても外出しないといけないときには、
なるべく日の光に当たらないように、気をつけているのです。

「こんな晴れの日に・・・よく来てくれたわ。
とっても嬉しい!さあ、あがって、あがって」

予想外のお客様に喜ぶサンデーさんを、
ソフト君は複雑な表情で見ていました。

「今日はこれで失礼させてもらうよ。
サンデーさん、みなさん、楽しい午後の時間をお過ごしください」

アカハライモリのソフト君は、にっこり笑ってお辞儀をすると、
カエルの仲間達と入れ違いに、ドアの外に出ました。

「え?ちょ、ちょっと、お待ちになって、ソフトさん」

サンデーさんの声に振り返ることもせず、
パタン
静かにドアを閉めると、ソフト君はあっという間に帰ってしまいました。

「僕たちお邪魔だったかな?」
「彼がサンデーさんの婚約者?」

「ええ・・・ソフトさんったら急に、どうしちゃったのかしら」

サンデーさんが悲しそうな顔をしているので、
カエルの仲間達があわてて言いました。

「サンデーさん!元気出して!」
「僕たち、二人を祝うためのダンスを考えたんだ」
「ほら!みて!」

カエルの仲間達の愉快な踊りを見て、
サンデーさんの顔に笑顔が戻りました。




サンデーさんの家を出て、丘を降るソフト君の後ろから、
彼女とカエル達の、楽しげな笑い声が聞こえてきました。

『サンデーさんの笑顔を、僕だけのものにできたらいいのに・・・』

ソフト君には、悩みがありました。
それは、サンデーさんが誰とでも仲良く、楽しそうに接している事です。

”みんなに慕われているところも サンデーさんの魅力の一つ”

そのことは頭ではわかっていても、
実際に彼女が他のカエルと仲良くしているところをみると、
ソフト君の心はちょっぴり痛んでしまうのです。

『サンデーさんの、たった一人の”特別”な人になりたい・・・』




ソフト君は自分の家まで早足で帰り、書斎へ急ぎました。
そして、棚から

『アカハライモリの恋愛辞典』

という本を見つけると、”恋の媚薬”の章を開きました。
ソフト君の目は、章の最初のページに釘付けです。


<惚れ薬① ~イモリの黒焼き~>

「つくり方。つがいのイモリを竹筒の仕切り越しに1匹ずつ入れ、
2匹のイモリの心臓が真っ黒になるまで、強い火で・・・」

ソフト君の手からアカハライモリの恋愛辞典が滑り落ちました。

「無理無理!こんなの絶対に無理!」

ブルブルふるえながら落とした恋愛辞典を拾うと、
恐るおそる次のページをめくりました。

<惚れ薬② ~イモリ酒~>

「・・・これだ!」




それから数日後、サンデーさんの家では、
パーティーの準備が進められていました。
ソフト君とサンデーさんの婚約をお祝いしようと、
カエルの仲間達が企画したのです。

「サンデーさん!ソフト君、よろこんでくれるかな」
「僕たち、サンデーさんの未来のだんな様と仲良くなりたいんだ」

「ええ、きっと、みんなのダンスを見たら、すぐに仲良くなれるわ」

サンデーさんは嬉しそうに答えると、続けて言いました。

「そろそろソフトさんを呼びに行こうかしら。後をよろしくね」

彼の家へ出かけようと、サンデーさんがドアノブに手をかけると。

トン・・・トン・・・トン

ドアをノックする音が聞こえました。

「ダーリン・・・僕の愛しいバラ姫・・・君に・・・贈り物を
・・・持ってきたんだ・・・ドアを・・・開けて・・・おく・・れ・・・」

「その声はソフトさん、今、あなたを呼びに行こうと思っていたのよ」

サンデーさんがドアを開けると、
お酒のビンを抱えたソフト君がユラユラ揺れながら立っていました。
いつものようにサンデーさんの手を取って
キスをしようとしたそのとたん

バッターン!

ソフト君は後ろへ倒れてしまいました。

「やだ!ソフトさん!どうなさったの!?」

「どうした? どうした?」

大きな音に驚いたカエルの仲間達が、ドア口に集まりました。
ひっくり返ったソフト君を見下ろして、

「うわっ!すごいお酒の匂い!」
「頭からしっぽの先まですごい匂い!」

「こんなソフトさん、私見たことないわ・・・」

サンデーさんはみんなに手伝ってもらって、
ソフト君をリビングのソファーまで運んで寝かせました。





「・・・さん ・・・フトさん ソフトさん!」

サンデーさんの声に、ソフト君が意識を取り戻しました。
ゆっくり目を開けると、サンデーさんとカエルの仲間達が、
心配そうにソフト君の顔を覗き込んでいました。

ソフト君は驚いて目をキョロキョロさせました。

「ソフト君が目を覚ましたぞ!」
「よかったぁ」
「どうなる事かと思ったよ!」
「よかったね」
「よかったね」

カエルの仲間達が口々に言いました。

「ソフトさん、みんなですごく心配したのよ。
あなたが目を覚ましてくれて、本当によかった!」

目に涙を浮かべたサンデーさんが、ソフト君に抱きつくと、
カエルの仲間達が「ワァ」と拍手をしました。

ソフト君が目を覚ましたことを、
自分の大切な人のことのように喜ぶ
カエルの仲間達を見ていたら、
ソフト君の不安はいつの間にかどこかへいってしまいました。

「惚れ薬を使ってサンデーさんを独り占めしようだなんて、
まったくバカな考えだった・・・」

「ん?ソフトさん、何かおっしゃって?」

「いいや。なんでもないよ。サンデーさん、この前は急に帰ったりしてごめんね。
それからみなさんにも、ご心配をお掛けしました。
こんな僕ですが、これからよろしくお願いします」

ソフト君が晴れ晴れとした顔であいさつをすると、
みんなの手に、ソフト君の持ってきたお酒を注いだグラスが配られました。

「それでは、似たものカップルの幸せを祝って、乾杯!」

カンパーイ! 

「乾杯!・・・・って、ちょ、ちょっと待った!!
そのお酒飲むのちょっと待った!やめて!やめてくださーい!!!」

「ん?」

ソフト君の必死な呼びかけもむなしく、
みんなのグラスの中身はすでにからっぽ。





それから何日かして・・・

ソフト君が、サンデーさんに会いに出かけようと、
家のドアを開けたところ、

「会いたかったよ!ダーリン!僕らのいとしいソフト君!」

サンデーさんのカエル仲間達が、
ソフト君の家の前に列をつくって並んでいました。
もちろんみんな、背中にバラの花束を隠して。

おわり

<惚れ薬② ~イモリ酒~>

造り方と使い方
1、自分の体がすっぽり入る大きさの容器を用意
2、その容器に美味しい焼酎を満たす
3、体を綺麗に洗ってからその容器の中に入る
4、3日間焼酎に浸かる
5、3日経ったら出来上がり
6、出来上がったイモリ酒をビンにつめる
7、惚れさせたい相手にイモリ酒を飲んでもらう
※製造上の注意
イモリは皮膚から酒を吸収します。
体内アルコール濃度の上昇に注意してください。



サンデーさんとソフト君が、どうして似たものカップルなのかは、
このおはなしを読むとわかります。
サンデーさんの野いちごワイン

それから、二人を結びつけたバラの花のお話はこちら
バラの花が咲きますように・・・

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